オーラルフレイルをご存じですか?
「フレイル」とは、「健康な状態と要介護状態の中間の段階」で、加齢による体や⼼の働き、社会的つながりが弱くなった状態を指します。「オーラルフレイル」とは、⽼化に伴うさまざまな⼝腔の状態(⻭数・⼝腔衛⽣・⼝腔機能など)の変化に、お口の健康への関⼼の低下や⼼⾝の予備能⼒低下も重なり、⼝腔の脆弱性が増加することを指します。⾷べる機能の障害へ陥り、さらにはフレイルに影響を与え、⼈によっては要介護状態にまで繋がる⼀連の現象および過程のことです。
「フレイル」とは、「健康な状態と要介護状態の中間の段階」で、加齢による体や⼼の働き、社会的つながりが弱くなった状態を指します。「オーラルフレイル」とは、⽼化に伴うさまざまな⼝腔の状態(⻭数・⼝腔衛⽣・⼝腔機能など)の変化に、お口の健康への関⼼の低下や⼼⾝の予備能⼒低下も重なり、⼝腔の脆弱性が増加することを指します。⾷べる機能の障害へ陥り、さらにはフレイルに影響を与え、⼈によっては要介護状態にまで繋がる⼀連の現象および過程のことです。
オーラルフレイルの状態になり、かむ⼒や飲み込む⼒が衰えると、⾷欲や⾷事量が低下し栄養不⾜になります。すると、筋⾁量の減少・基礎代謝の低下が起こりエネルギーの産⽣量が減退します。加えて、⽇々の活動量が減るとおなかも減らず、さらに食欲がなくなり、食事量も低下します。このような悪循環(フレイルサイクル)を放置してはいけません。
お口の機能低下は食事摂取量の低下や栄養不足につながることが分かっています。特に筋肉の維持に重要である動物性タンパク質(魚、肉、卵)の摂取量が低下すると報告されています。筋肉量の低下は身体的フレイルにつながりますので、歯の数、かむ力、飲み込む力を維持し、バランスの良い食事をすることが重要になります。
フレイルは⼤きく分けて3つの側⾯から現れます。1つ⽬が「体のフレイル」です。運動機能が低下したり、筋⾁が衰えたりすることなどが代表的な例です。⾼齢期になると、筋⼒は⾃然と低下していきます。2つ⽬が「⼼のフレイル」です。⾼齢になり、定年退職や、パートナーを失ったりすることで引き起こされる、うつ状態や軽度の認知症の状態などを指します。3つ⽬が「社会性のフレイル」です。加齢に伴って社会とのつながりが希薄化することで⽣じる、独居や経済的困窮の状態などをいいます。
残っている自分の歯が20本未満
半年前に比べて硬いものが食べにくくなった
お茶や汁物などで、むせることがある
口の渇きが気になる
普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがある
オーラルフレイル(歯と口の機能低下)からフレイル(体と心の機能低下)への負の連鎖が進まないように、しっかりとした対策が必要です。
日本版フレイルの基準について身体的フレイルとは、病気ではないけれど、年齢とともに筋力や心身の活力が低下し介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態のことです。日本版フレイルの基準もあり、3つ以上に該当すればフレイル、2つまで該当すればプレフレイルと判定されます。
高齢者の歯科検診京都府歯科医師会では各市町村と連携してさまざまな歯科健診を行っており、高齢者を対象とした歯科健診もあります。無料で受けられる自治体もありますので、対象年齢や受診できる歯科医院をお住まいの地域の保健所や保健福祉センターなどでご確認の上、ぜひ受診してみてください。
歯科医院での定期的な健診とクリーニングを受けることで、むし歯や歯周病などの問題を早期に発見、治療することで健康な歯を残すことができます。
歯磨きやフロス使いなどの口腔ケアを日常的に行い、口の中を清潔に保ちましょう。
⽢い飲み物、 ⾼脂肪や⾼塩分の⾷品を控え、バランスの取れた⾷事を⼼掛けましょう。
カルシウムやビタミンDを含む⾷品(⽜乳、チーズなど)を摂取することで、⻭や⾻の健康を保つことができます。
サルコペニア(筋肉の衰え)対策として、良質なたんぱく質を摂取しましょう。
禁煙をすることで⼝の健康を改善できます。
過度のアルコール摂取を避け、口の中の粘膜を保護しましょう。
歯磨きは毎食後、適切な方法で行いましょう。
歯ブラシを使って、歯の表面だけでなく、歯ぐきや舌もきれいにしましょう。
適切な硬さの歯ブラシを選び、定期的に交換しましょう。
また、フロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間の汚れも取り除きましょう。
ストレスは口の健康にも影響を与えるため、適切なストレス管理法を見つけ、心身の健康を維持しましょう。
必要であれば、リラックス法やメンタルヘルスの専門家の助けを借りることも考えましょう。
口腔に関する筋肉は、かんだり、舌を動かしたりすることで保たれます。毎日お口の体操を行い、筋肉を維持しましょう。
定期的な⻭科健診で専⾨的な⼝腔ケアを⾏うことで、健康なお⼝を保ち、オーラルフレイル予防、ひいてはフレイル予防につながり、健康な体を維持することになります。お⼝の中で不安なことや気になることがあれば、まずは⻭科医院へ⾏き、お⼝の中のチェックをしてもらうようにしてください。
定期的な⻭科健診と専⾨的な⼝腔ケアによって、⻭を失う原因になるむし⻭の発症を抑えると同時に異変を早期に発⾒できるため、最⼩限で済む治療につながります。
定期的な⻭ぐきのチェックは初期の⻭周病の発⾒につながり、適切な処置が可能になります。
⻭周病などの⼝腔疾患は、糖尿病などさまざまな全⾝疾患と関連していることが報告されています。⻭周病を予防してお⼝の健康を保つことは、全⾝の健康を維持し、病気の予防につながります。
年に数回の健診費⽤に⽐べて、むし⻭や⻭周病になった場合の治療にはより多くの費⽤と時間がかかります。残存⻭数が全⾝疾患に関連することから、定期健診によって医療費負担軽減にもつながります。
⾷べ物をおいしく⾷べるためには、⻭とお⼝の健康が⽋かせません。⻭とお⼝の健康を保つことで、フレイル対策につながります。家族や友⼈と笑顔で楽しく会話をするためにも、⻭とお⼝の健康が重要な役割を果たしています。⽣涯にわたって、しっかりかんで⾷べ、健やかで⼼豊かに笑顔で過ごせるように、また⽇々の⽣活を楽しく過ごすために、今からオーラルフレイル対策をスタートさせましょう。
● おいしく食事を楽しめる
● なんでも食べることができ、栄養バランスが整う
● 人と会話するのが楽しくなる
● しっかりかめることで脳を活性化させることができる
● 表情が豊かになり素敵な笑顔になる
京都府歯科医師会 口腔サポートセンター病気などにより歯科医院への通院が困難な方のために、訪問診療ができる歯科医院を探す窓口です。
Webサイト(京都訪問歯科デジタルサービス)からお申し込みができます。
オーラルフレイルが身体に影響することが近年の研究で分かってきました。オーラルフレイルになると身体的フレイルになるリスクが2.4倍に上がることや、オーラルフレイルと身体的フレイルを併発すると、要介護に認定されるリスクが2.8倍に上がることも報告されています。
京都府歯科医師会Webサイトでは、今回掲載した体操以外にもオーラルフレイル予防にもなるお口の体操動画を多数ご紹介しています。ご家族の皆さんでぜひ続けてみてください。
Webサイトはこちら
オーラルフレイルの判定項目の中で身体的フレイルと特に関係しているのは歯の数や咀嚼機能です。まずは歯科治療により、しっかりかめるお口を作りましょう。