子どもの歯と口の Q&A

乳歯は生え替わるので、むし歯になっても大丈夫?

正しくありません。乳歯のむし歯が、永久歯に悪影響を与えることがあります。永久歯がむし歯や歯周病になりやすくなります。山火事があった所に新しい家を建てても、再び燃えてしまうのと同じです。乳歯のむし歯が進行することで、永久歯が変色したり、もろくなったり、歯並びが悪くなったりすることもあります。また、咀嚼(そしゃく)、発音、審美障害を起こすこともあります。これらは、成長期において、発達や成長の遅れ、偏食などの全身的な問題だけでなく、「笑えない」など心理的な問題も起こしかねません。乳歯だからといっても、むし歯にならないように気をつけてあげましょう。

子どものお口の健康は、親の生活習慣や管理次第のため、親の責任ですよ。

口がよく開いていて、乾燥が心配。むし歯などになりやすくなる?

私たちは通常、鼻で呼吸(鼻呼吸)しますが、口を開けたまま口で呼吸(口呼吸)する人が増えています。その場合、口が乾燥し唾液量が減るため、歯に汚れが残りやすく、むし歯・歯周病・口臭の原因となります。また、子どもの頃から口が「ぽかん」と開いていると、お口周りの口輪筋が緩み、歯並びや咬合(こうごう)に悪影響を及ぼすだけでなく、年齢を重ねていくと周囲の表情筋や皮膚も緩み、老化の進行につながります。さらに、口の中に異物やウイルスが直接入ることで、風邪や感染症にかかりやすくなるといわれています。家族みんなで鼻呼吸を意識し、健康的な口元を目指しましょう。
咬合…かみ合わせのこと

マスク着用時は息苦しいため口呼吸をしがちですが、むしろ口を閉じようとする意識が大切です。

歯並びが気になります。歯列矯正は、いつごろから始めるのが良い?

歯列矯正を実際に始める年齢で最も多いのは、7~8歳です。この年代は、上下の前歯が生え替わり、将来の歯並びがある程度予測できることと、患者さんである子ども自身に治療に対する自覚が生まれることが、理由として挙げられます。しかし、成長には個人差があるため、一概に「開始は何歳から」と断定することはできません。逆にいうと、いつからでも始められますが、顎の骨格に問題のある出っ歯、受け口、開咬(かいこう)、過蓋(かがいこうごう)、交叉咬合(こうさこうごう)といった不正咬合(ふせいこうごう)は、早めに治療した方が良い場合もありますので、気になり始めたときに気軽に歯科医院に相談しましょう。
不正咬合…さまざまな原因で上下の歯がかみ合わない状態のこと

子どもの歯列矯正は、患者である子ども自身のやる気と親の協力が必須です。

フッ素コーティングがむし歯予防に良いと聞いたが、定期的にした方が良い?

フッ素(フッ化物)には、大きく3つの働きがあります。この働きにより、むし歯予防に効果を発揮します。
①歯を強くする。むし歯に強い(溶けにくい)歯を作ります。
②再石灰化を促進する。自然治癒が可能な初期のむし歯では、治癒を助けることができます。
③むし歯菌を抑制する。歯垢(プラーク)に侵入し、歯を溶かす酸が作られることを抑えます。
むし歯になりやすいかどうかは、お口の中の環境や抵抗力によって一人一人異なります。3~6カ月ごとに、定期的に歯科医院でフッ素(フッ化物)塗布をしてもらい、子どものむし歯予防を行っていきましょう。

定期的なフッ素(フッ化物)塗布が効果的です。

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