奥田政行 料理実演&インタビュー

PROFILE

奥田 正行(おくだ まさゆき)

山形県鶴岡市生まれ。地元の高校を卒業後に上京し、イタリア料理、フランス料理、純フランス菓子、イタリアンジェラートを学ぶ。第1回辻静雄食文化賞、文化庁長官表彰などを受賞。イタリア・ミラノで開催される世界野菜料理コンテスト「ザ・ベジタリアン・チャンス」3位に入賞するなど海外からも高い評価を受ける。

2022年度で25回目を迎える「いい歯の日週間」記念行事。今年度はイタリア料理界の第一線で活躍される奥田政行シェフを講師にお迎えして、「シニア世代のための美味しいアルデンテ料理」をテーマに、3つのオリジナル料理の実演とインタビューの収録を行いました。京都ならではの食材をふんだんに使ったシェフご自身による調理の様子をレポートします。

食べることは、生きること

写真 1品目は「野菜いっぱいペペロンチーノ」。京都地産の京かぶらや京人参をたっぷり使ったこのレシピは、食欲が衰えやすいシニア世代にもぜひおすすめしたいと奥田シェフ。「野菜には消化酵素が多く含まれているため、年齢とともに落ちた胃の消化機能をサポートしてくれます。さらにしっかりかむことでも食欲は増進されます。かむと歯も強くなるので一石二鳥のレシピなんですよ」。さらに、パスタを茹でるときになると奥田シェフの言葉にも自然に力が入ります。
水に対して2.5%の塩を入れるのが美味しいパスタの茹で方。シニアの方にも食べやすいやわらかさでありながら、プリッとした食感もあるパスタに仕上がります。もちろんこのままだと少し塩辛いので、その後、水で少しゆすぐのもポイントですよ」

写真 2品目は「ハモと生のラタトゥイユ」。本来は煮込み料理であるラタトゥイユを野菜のシャキシャキとした食感をいかすために生で料理するのが奥田流。京都の伝統的な食材の一つハモと相性バッチリということで、今回はハモもプラスしたレシピになりました。
「野菜に塩をもみこむときは少し潰すようにするのがポイント。食物繊維が壊れてGABA(ギャバ)成分が染み出し、美味しさが広がるんです」

写真 3品目は今回のメイン料理である「ゴボウと牛肉の赤ワイン煮込み」。フレイル対策に欠かせないタンパク質をたっぷり含んだ牛肉を煮込んでやわらかくすることでシニアの方でも食べやすいように仕上げたレシピです。作り方も簡単なのでぜひ試してみてほしいと奥田シェフ。「水と塩に漬けておいたお肉を少ない調味料で煮込んで、ペーストしたゴボウのソースにあえるだけ。難しいことはしません。素材の扱い方、熱の加え方の基本を分かっていれば料理は美味しくなります。ぜひ楽しんでやってもらえると嬉しいです」

楽しんで食べるにはお口の健康が欠かせない

実演後のインタビューでも、奥田シェフは「ぜひ食べることと料理することを楽しんでほしい」と語ってくださいました。「かむと思考も活性化します。料理はそのかんで食べる楽しさを底上げします。ぜひたくさんかんで、健康な楽しい毎日を過ごしていただきたいと思います」